2014年10月11日土曜日

3年7か月

「僕らは生きている間に、あと何度こんなきれいな条件の十六夜月を観れるんだろうかね」
僕は砂浜を歩きながら、そうつぶやきました。

な~んて書き出すと、何やらちょっと色っぽい状況かと思うでしょ?
しかし、決してロマンティックなデートでの会話にあらず。
50代のオトコが三人で、わざわざ月を観るために浜に出てきた一昨日の一場面(笑)

さて、宮城県は七ヶ浜町のこの浜辺。3年半前は流されてきた巨大なコンテナや瓦礫で埋め尽くされていました。
あれから何度目かの十六夜の月が、波のリフレクションを得て、僕の視界にあるものすべてを浄化するように照らしています。


それぞれの立場で、震災直後の困難な状況を乗り越えてきたオトコ三人。
交わす単語は少ないけれど、少なくとも僕の胸の中では、ここ七ヶ浜で生まれたたくさんの記憶が去来していました。

前日は皆既月食で散々ちやほやされたお月さん。
翌日は見られすぎたせいか、
祭りの後の気分のように少し疲れた表情にも見えました。もちろん、気のせいだろうけれど…見る側の気持ちが反映されるのかな。

でも、みんなが注目しなくなった頃にこそ、しっかりと観てあげないと。
「君のことはいつも見ているよ」ってね。

被災地も同じかもしれません。

近々ここに巨大な防波堤が出来れば、この景色はすっかり変わります。
この場所から見える月も変わってしまうようにさえ思えてきます。

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