恋人同士の段階では、
謎が多いほうがスリリングなものである。
ロンドンのCOWARD劇場で観た、
'Shakespeare in Love'
満席だった。
素晴らしい作品だった。(実はディスニー社が関わっていると知ってちょっとびっくりしたが)
随所に挿入されていた古楽器の生演奏による音楽も、こころを揺さぶられた。
さて、舞台の冒頭。
Shall I compare thee to a summer's day?
シェイクスピアのソネットでも超有名な、
18番の最初の行と思われる、
Shall I compare.... という言葉が作品の最初に何度か出てきた。
~写真は手元のソネット(14行詩)集、18番が載っている頁~
Shall I compare....は、作品の途中でも出てきた。
その単語に対して、客席からくすっと笑うような反応が即座にあった。
そのたびに、シェイクスピアをよく知らない私は、ちょっと遅れをとったような気がしていた。
ちなみにこの18番。
この甘美な詩が、同性の役者に向けられていたかもしれないという説がある。私にはにわかに信じ難いが、それはすなわち私の料簡の狭さか。
シェイクスピアは、その存在、作品、何から何まで謎だらけである。
その謎が、今もなお多くの作品をこの世に生み出している理由かもしれない。
今回観たこの作品もその一つなのであろう。終演後の客席の満足そうな雰囲気が印象的であった。 環境客も多く混じっていると思われるが、それにしても、あぁ、イギリスの観客の層の厚さよ!
日本に戻ってから、映画のほうの Shakespeare In Love もDVDで観なおしてみた。
むむ、
シェイクスピア先生は恋愛の達人であったのかも。
なーるほど、
恋人に、謎が多ければ、
それだけの混乱と呪縛を生み、
そして、
深みにはまりやすいもの。
高等技術である。
一方、舞台をつくり客を前にするこのギョーカイは、
やはり世阿弥先生のいうように、
「秘すれば花なり秘せずは花なるべからず」なのか。
私ごとき凡人にゃアウトオブ理解。
到底たどり着けない境地であり、
シェイクスピア先生の謎は深まるばかりなり。。。
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