関東や東北にも台風が近づいているというニュースを聴きながら、この夏の振り返りをふたたび。
日本ではちょうどお盆。8月13日にロンドンのNew Londonという劇場で「エレファントム」とお芝居を観ました。
The Elephantom、何だか「エレファントマン」と「ファントム(オブ・ジ・オペラ)」を足して2で割ったようなタイトルであります。
舞台はとても抽象的なのだけれど、お話はかなり分かりやすい。客席には小学校低学年か、幼稚園児ぐらいの子達の姿もみえました。午前中の開演というのも頷けます。
結構シュールな印象もあったので、子どもたちはどう反応するのかなぁなどと考えていた私の心配とは全く無関係に、彼らがおはなしの中に入り込んでいく様子が印象的でした。おそらく僕は、左様に客席のことなどを気にしている、演者や制作している人々にとっては、悪い観客です。長く制作の現場にいる悲しい性とでも申しましょうか(笑)
さて、このお芝居を観た後に、滞在していたフルハムのマンション近くの書店で”The Tiger Who Came to Tea”という絵本を見つけ購入しました。
実は、和巳さんとそうらちゃんはThe Tiger Who Came to Teaの舞台を観たそうで、つまりこの絵本のお話はお芝居にもなっていているのでした。しかも彼によれば、この2作品はちょっと共通性があるね、とのこと。エレファントムを観たばかりでしたから、イギリスの子どもたちにとってポピュラーなお話ということだけでも、がぜん興味が湧いて、即購入しました。
さっそく、読んでみると、淡々とした語り口のようにも思えるその絵本には、確かに、ある種英国独特のお行儀の良さを感じるところがあり、動物のいたずらやアクションに怒りやいら立ちを示していないところなどは、エレファントムと共通している部分もあるなと感じました。シンプルゆえにおはなしがすぅ~っと入ってくる感じがありました。
それにしても、お芝居を観るときの私は邪念が多すぎるような気もします。エレファントムを観ているときも、舞台上手に居るミュージシャンの演奏や、楽器の持ち替えに感心したり、舞台上でのゾウの出現させ方を予想したり…シンプルな心で向き合っていないなあといつも反省してしまいます。
それゆえに、たまに童心にかえって絵本なんか読んでみるのは、自分にとって、とても良い刺激になることを再発見しました。
考えてみれば、子供向けの舞台や本を作っているのは大人たちであるわけでして…その大人たちは子どもたちの本当の心をわかっているわけではありません。実は大人たちに必要な世界を想像して、失ってきた感覚を補っているだけに過ぎないのかもしれません。
ああ、まためんどくさいことを考えてしまった。
そんなだから、こどものこころに憧れるのかな。
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