2014年11月5日水曜日

フィリップ・ジャンティ

先日東京にて尊敬する先輩のひとり、小澤泉氏と久しぶりにお会いした。
小澤氏には、昨年、東北学院大学の授業にもゲストとしておいでいただき、学生たちに貴重なお話を賜った。そのご縁もあり、同授業を担当している宮武久佳さんにも同席頂き、3名でのランチ。小澤さんは元劇団四季で社長までお勤めになった方。そして、宮武さんは、東京理科大学大学院教授として知的財産に関わる専門家。それぞれの分野で経験の豊富なお二人である。小澤さんに会いするのはおよそ1年半ぶりだったので、様々な楽しい話題が飛び交った。なかでも、主に東西の演劇論では3人のテーブルの話がはずんだ。

その時の話題のひとつが、「War Horse」という作品。時期をほぼ同じくして、小澤さんは日本で、私はイギリスで観たということが判明。
お互いに印象を語り合った。
語り合いの中で、ひとつの発見は「文楽」。日本の伝統芸能に通ずるような印象が共通点としてあったことに少し驚いた。
これからの我々の創作活動における方向づけをするにあたって、経験豊富な先輩方のお話を伺うのは大変貴重なありがたい時間。そして、人格者ほど腰の低い方が多いことをあらためて実感。

さて、昨夜はフィリップ・ジャンティの「忘れな草」という作品を仙台で観た。(イズミティ21大ホール)


フランスの作品らしい、相手を考えさせながら喜ばせていくような演出が随所に見られた。作品を深読みすることが好きな人にはたまらない作品であろう。

と、ここでパフォーマンスを観ながら思い出したのが、先の小澤氏の「文楽」発言。
帰宅後読んだパンフレットで知ったのだが、ジャンティも文楽に大きな影響を受けている。

私たちは、ミュージカルをつくる仕事をしているからこそ、もう一度日本の伝統芸能を知るべきである。日本の伝統芸術には素晴らしい創造性とパワーが隠されているのだ。

一方、昨年から密かに計画していたSCS稽古場での能楽体験が、喜多流の粟谷明生先生のご協力を得て、今月末に実現することになった。
SCSミュージカル研究所として、初めて能の世界への扉を開くことになる。
能舞台のある場所へ研修に出かけることも考えたが、今回はふだん我々が作品作りをする「稽古場に本物の能役者においでいただく」ことにこだわった。

若い世代にどんな化学変化がおこっていくのであろうか。
このブログでも随時情報を発信したいと思うが、とにかく今から楽しみでワクワク感が否めない。


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