2014年12月8日月曜日

日比谷ネコ

彼と出会った刹那に、ぱぁ~っと、大量の事柄について対話したような気がしました。

普段の私ならばおそらくタクシーに乗って移動していたであろう距離。しかし、歩数計携帯効果でしょうか、私はホテルをチェックアウトすると、「歩いて」友人との待ち合わせ場所に向かっていました。

気持ちの良い初冬の朝。東京駅、坂下門、二重橋…と歩いて日比谷公園に差し掛かった時、
そのカレと出会ったのでした。
あとでワタシはカレに日比谷ネコと名前をつけました。

ワタシ: おっと、急に目の前を横切るとは、ビックリだ。日比谷公園に猫がいるとは!

日比谷ネコ: 失礼な言い方だな、君、僕はもう長いことここをねぐらにしているのだよ。君のほうこそ、こんな天気のいい、しかも月曜の午前中に公園を散歩とは… 仕事していないのか?


ワタシ: いや、待ち合わせ場所に行く途中なんだよ。

日比谷ネコ: カメラぶら下げて、仕事か?

ワタシ: これは趣味だ。

日比谷ネコ: 人間ってのは、記憶やノスタルジーに固執する生き物なんだな。

ワタシ: ??? …ところで、1枚撮ってもいいですか?

日比谷ネコ: かまわぬが、撮ってどうするのだ。

ワタシ: ブログに載せようかと。日比谷公園のネコちゃん♡なんてね。実は今、一枚撮らせていただいたんですが、ちょっと手前の葉っぱが気にかかるんで、もう一枚!

日比谷ネコ: くだらん。(移動し始める)

ワタシ あ、一枚だけ、こっち向いてください!

日比谷ネコ:(振り向かずに) 我々は決して後へ戻ることはしない生き物なのだよ。


カレは、あっという間に木の陰へと消えて行ってしまいました。公園では、お昼に向かう太陽浴びて、もうすぐ葉が落ちそうな紅葉が、キラキラしておりました。


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