2015年1月10日土曜日

ケム川のほとりにて~ウエストエンドの断片(最終回)

私たちの旅の終わりは、ケンブリッジでの時間だった。


ここは、和巳兄さんにとって11年ぶりの思い出の地。
私にとっては12年ぶりの訪問地である。
ケンブリッジという名前は「ケム川にかかる橋」という意味らしい。


そのケム川にかかる橋を渡ってみたりしながら、みんなで歩いた。
12年前、和巳さんの細君故ハルコさんも一緒にこうして川べりを散歩したことなどを思い出していた。


一方、ケンブリッジ大学では、ちょうどシェイクスピアフェスティバルが行われていた。和巳さんが、そのプログラムの中から「ヴェニスの商人」のチケットを手に入れてくれて、我々はそれを観た。
Robinson College Gardens で上演された野外劇である。
夏とは名ばかりの寒い気温だったけれど、ケンブリッジ日本人会の会長Tamako氏も合流してくださったりして、あったかな気分で、鑑賞することができた。
同行した子どもたちには、この英語の野外劇、ちょっとハードルが高かったかもしれないが、なぜだかみんな神妙な顔をして、終わりまでじっと観ていた。
その姿を横から眺めつつ、僕らは勿論であるが、子どもたちにとっても、こういう空気感を味わうことが重要なのだろうという実感を持った。推測ではなく実感である。


英国を発つ前日には、そのケンブリッジ大学にお勤めのとある教授のお宅にお邪魔する機会もあった。お家にお招きいただき、お茶を頂いた。お庭を拝見したときに、しっかりと生活に溶け込んでいるイングリッシュガーデンに感動を覚えた。
この世にうまれて「生活をする」ということの意味を考えさせられた。


ケンブリッジという土地が、そういうことを考えさせるのか、それとも他の要因か。
教授が庭で、和巳さんと僕とのツーショットを撮ってくださった。
旅の終わりに、いい記念の写真になった。


しめくくりは、やはり「フィッシュ&チップス」であろう。
ケム川沿いにあるボートハウスというパブで頂いた一品。
ひじょーにうまかた!
やはり、こーゆー写真が1枚ぐらいないと私のblogらしからぬ(笑)


パブの帰り、一足先に宿に戻った子どもたちのもとへ急ぐ和巳さんの後ろ姿と、石畳の道が印象的だった。
子どもをケアするという日常と英国に居るという非日常の渾然が楽しい旅であった。


今回の英国では、考えること、感じること、この2つが、日本に居る状態とは違ってとにかく新鮮であった。
この収穫を何とか自分の言葉や音で表現する機会を持ちたい。

願わくば来年もここを訪れる機会があらんことを。



追記:

本当は昨年12月20日前後に書き終えていた「ウエストエンドの断片最終回」。年末はブログに書きたいネタが多すぎてアップできずに、ついつい今頃のアップに。
夏に旅したイギリスでは、もっともっと書きたい出来事がたくさんあったけれど、いつまでも振り返るよりは前を見ることが大事。
娘4人とパパ2人。珍道中ではありましたが、おそらく一生この組み合わせで旅することはないであろう、我々にとっては誠に貴重な時間を頂いた2014年夏。
留守中我々を支えてくださった多くの方々に、この場をお借りして心から感謝申し上げます。

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