2015年1月20日火曜日

トップランナーの言葉

時々私も拝読させて頂いているブログ。
今日は、こんな書き出しで始まっていた。

「食べないと大きくなれないよ」と「食べると大きくなれるよ」の二つ。
どちらが良いか? どうも後者らしい。


喜多流能楽師 粟谷明生のブログ」というタイトルのそのページでは、時折私は大切な「気づき」を頂くことがある。ブログの文章はこう続く。

このことを画家の蜷川有紀さんにお話したら「主語と述語どちらが大事か、と言えば、人間の脳は最後に聞いた言葉が頭に残るので述語が大事」と説明して下さった。
「大きくなれないよ」よりは「大きくなれるよ」を脳に響かせると効果が大であるならば
稽古指導には「だから上手くならない」を最後に言わず「こうすると上手くなる」と言うように心がけようと思った。


「なるほど」と独り言が口をついた。そこで私は、ちょうど昨日、お能に関する稚拙な文章を書いたばかりであったから、粟谷先生に今日のブログの引用させていただきたいとの旨連絡をしたら、ご快諾をいただいた。

実は昨年、SCSミュージカル研究所では、粟谷先生をお招きして稽古場で能楽体験講座を催している。
その折にだったと記憶するが、私が「舞台作品や自分のライブのクオリティを上げたいが、なかなかやることが多すぎて…」というような発言をしたとき、粟谷先生は「廣瀬さんは、ご自分で作詞もなさる、曲も書かれる、さらに舞台にも立たれる。まるで世阿弥のようですね」とおっしゃられた。
一流の能楽師からそのようなお言葉を頂戴すると、単純な私とたんに舞い上がるような気持ちになった。いろんなことに挑戦できることが嬉しくなった。 ちょっぴり後ろ向きな気持ちになりかけていた自分が居なくなった。
以来、私は「やることが多い」というエクスキューズは言わないようになった。

トップランナーの言葉には、いつも深さと広がりを感じるものだ。
粟谷先生の言葉に、 人を動かす、稽古をつける、ということの極意を垣間見た気がしている。




0 件のコメント: